代表メッセージ

昨今、フードバンク活動は、食品ロス、また貧困問題の解決手段の1つとして、社会の関心も深まっています。
しかしながら、現在国内におけるフードバンク活動は、その解決策としての役割を十分に果たすことができていません。
私も8年前にフードバンク活動を1人で自宅から始めました。当時は組織基盤もなく、現在まで、全くの手探りで活動をしてきました。また全国フードバンク推進協議会にご加盟いただいた各地のフードバンク団体も、同じように、組織基盤が十分ではない状況が課題となっていると思います。
一方、海外のフードバンク団体を見てみると、アメリカやEUでは行政が積極的にフードバンク活動を推し進め、活動を推進するための法律も整備されております。その結果として、アメリカでは年間3700万人の困窮者に食料支援が行われており、そのうちの1400万人、38%が子どもへの支援となっております。このように、欧米においては、フードバンクが社会的課題の解決手段として役割を果たしております。
現在の国内フードバンク団体が置かれた環境は、例えれば、コンクリートの上に花の種を撒いているような状況だと考えています。コンクリートの上に種を撒いても花は育ちません。そのような状況で、いくら水や肥料を与えても、花は咲きません。
しかし、豊かな土壌に種を撒けば、花は自然に、力強く育ちます。その豊かな土壌を作ることが全国フードバンク推進協議会の役割です。次世代の日本において、今後新設されるであろうフードバンク団体のために、欧米のようなフードバンク活動が持続的に発展できる環境や道筋を作ることが、全国フードバンク推進協議会に求められています。
これから全国のフードバンク団体が力を合せて協議会を推進し、フードバンク活動が発展していくことで食品ロスが有効に活用され、生活に苦しむ多くの方々への支援が広がることを願っております。
代表理事 米山 けい子