活動報告(6月~7月)
「全国フードバンク推進協議会」では加盟フードバンク団体の支援用食品の不足や、フードバンクへの社会的なニーズの高まりに対応するため、行政への政策提言、広報活動、食品寄贈のマッチングの他、フードバンク団体へのノウハウ支援等の基盤強化活動をしております。
~ 活動報告 ~
1.食品寄贈マッチング
(1)企業様からの寄贈
2ヶ月の間に3社の企業様からフードバンク団体へ寄贈を頂き、子ども食堂、学習支援団体、児童養護施設、生活困窮世帯等に配布されました。
(2)九州北部豪雨災害への支援
7月5日に起きた豪雨災害の支援として加盟フードバンク団体様より食品の提供を募りました。提供いただいた食品は現地のフードバンク団体を通し、被災地の方々へ届けられました
2.総会の開催
第3回の総会が開かれ、2016年度の事業報告や決算・監査報告が議題として出され、承認されました。また、全国フードバンク推進協議会の法人化へ向けて、一般社団法人全国フードバンク推進協議会の設立(案)が提案され承認されました。今後、法人化の準備が整い次第、法人格の取得を行う予定です。
3.シンポジウムの開催
6月24日(土)に、「子どもの貧困とフードバンクの今」をテーマに全国フードバンク推進協議会主催でシンポジウムを開催致しました。近年、メディアの報道などで貧困問題の関心の高まりもあり、当日は100名を超える方がお集まりくださいました。
基調講演では首都大学東京の小田川華子先生に「共に考えよう子どもの貧困」をテーマに講演していただきました。貧困家庭の子どもはいじめや孤立、幸福感、自尊感情の低さなど、身体的、精神的な苦痛を受けることが多く、また抜け出そうにも相談できる相手がいないといった問題があるということを、東京都の調査をベースにとてもわかり易くお話いただきました。
また、フードバンク4団体からはそれぞれの団体の活動概要や、貧困家庭に対する取り組みとして、食糧支援だけでなく学習や精神面に対しての支援など様々な活動についてもご紹介いただきました。
質疑応答では、会場の方から「フードバンク活動によって地域や行政の意識が変わった事例はあるのか」という参加者からの質問に対し「地域の方々がフードバンク活動への関心が高まった結果、市民の方々から行政へ働きかけ、動かした。」等のお話がありました。
参加者アンケートでは、「子どもの貧困に対する問題意識、そして解決策を模索していくことの大切さを学ばせて頂きました。」「フードバンクは食料を届けるのがメインだと思っていたので想像よりも様々な機関と連携していることを知って驚いた。」といった声が寄せられました。
4.子ども食堂との連携会議
6月に子ども食堂の関係者とフードバンク団体関係者で連携会議を行いました。
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当日の会議の記録と、連携会議に先立って行った子ども食堂へのアンケート調査から、フードバンクから食品提供を受けている子ども食堂は約3割しかなく、連携の進まない原因として、地理的な問題、各団体同士の認知の問題、フードバンクと食品寄贈企業との契約の問題、生鮮食品に関するミスマッチ、食品の管理方法に関する問題などがあることが見えてきました。
また連携を促進させるにあたり、活動の歴史が単純に浅いと考えられるため、まずは顔の見える信頼関係を作ることが重要である、ということを関係者間で確認することができました。
全国フードバンク推進協議会では今回の連携会議を受け、今後両セクターの連携関係を構築していくため、協議会に加盟しているフードバンク団体様に各都道府県単位の子ども食堂のネットワークへの参加を要請しました。
5.フードバンク団体へのノウハウ支援
フードバンク団体への組織基盤強化として、新設団体の立ち上げに関する相談や行政との連携に向けたノウハウ支援、食品寄贈の合意書締結における情報及び資料の提供等を行いました。
6.アドボカシープロジェクトについて
全国フードバンク推進協議会では6月から、認定NPO法人サービスグラント様と、BLP-Network様との連携により、アドボカシー(政策提言)プロジェクトに取り組んでおります。
ご協力いただいているプロボノの皆様
本プロジェクトは、一般企業にお勤めの方(5名)や弁護士の方(3名)など、合計8名のプロボノによるサポートいただき実施されています。
プロジェクトでは、フードバンクに関連するアメリカの法律(ビル・エマーソン食糧寄附法)や、EU圏の法律の調査、日本国内の既存法との整合性、アドボカシーで使用する基礎資料や提案用資料作成などのサポートを受けています。