お知らせ

特定非営利活動法人フードバンクふなばし様にインタビューさせていただきました

特定非営利活動法人フードバンクふなばし様は、弊会が加盟フードバンク団体と連携して実施している「第9回フードバンクこども応援全国プロジェクト」の参加団体です。今回は、弊会事務局の吉田が、特定非営利活動法人フードバンクふなばし理事長の笹田さんにオンライン上でお話を伺いました。

  • Q. 設立の経緯についてお伺いできますか(吉田)
  • 笹田さん:

    船橋市で民生委員・主任児童委員として15年務めており、その活動を通じて、子どもたちを取り巻く環境にはさまざまな問題があることを実感してきました。

    そうした中、2017年に子育て仲間とともに子ども食堂を立ち上げました。食材調達をする際に、「フードバンクちば」からご提供をいただき、そのときに初めてフードバンクの活動や仕組みについて知ることとなりました。

    それまで、すぐそばに食べ物に困っている母子家庭がいるのに、自分には直接的な支援の手立てがなく、歯がゆい思いをしていました。

    しかし、フードバンクが船橋市にもあれば、そういったご家庭に食料を届けることができるのではないかと考え、2018年に「フードバンクふなばし」を設立しました。

  • Q. 活動にあたって大切にしていることや団体の理念について教えてください(吉田)
  • 笹田さん:

    設立当初から関わっているメンバーは、いわゆるお母さんたちです。自分たちの子育てが落ち着いた今、現在子育てで頑張っている方々を応援したいという思いで活動を続けています。

    私たちは、千葉県内で2つ目のフードバンク団体として立ち上がりました。主婦発の自分たちが活動を地道に継続していくことで、「自分たちもやってみようかな」と思う人が少しずつでも増えていくのではないかと考えています。そうやってフードバンク団体が広がっていけば、点と点が線になり、やがて面になっていくはずです。それを目指して、「なんとか形にしたい」という思いで活動を続けてきました。

    また、食べ物に困っている方々は、他にもさまざまな困りごとを抱えていることが多いため、しっかりと行政へつなぎ、その先で必要な支援が受けられるようにすることも心がけています。

    Q. 普段の活動内容について教えてください(吉田)

    笹田さん:

    私たちは、食品を集める「入り口」と、必要としている人たちに届ける「出口」の両面で活動を行っています。

    入り口の活動としては、市内25か所に食品寄付ボックスを常設しており、個人の皆さまからご寄付をいただいています。また、設立当初から継続的にご支援くださっている企業様や、ホームページを通じて新たに声をかけてくださった企業様もいらっしゃいます。さらに、フードドライブも定期的に実施しており、「食品を無駄にしたくない」という思いを持つ方々のご縁がつながり、活動の場も多方面に広がってきました。私たちが情報発信を続けてきたことで、同じ思いを持つ方々が「フードバンクふなばし」を見つけ、光を当ててくださるようになりました。

    出口の活動については、船橋市と連携し、食に困っている方々の状況を把握したうえで、ピンポイントで食料支援を行っています。また、保健所の保健師やスクールソーシャルワーカーとも連携し、支援が必要な方々をフードバンクにつないでいただいています。設立当初から子育て家庭の支援を中心に行ってきましたが、ここ数年は支援対象を広げ、生活困窮の高齢者や単身者、障がいを持った方々への支援も行っています。

     Q. 今回のプロジェクトでの具体的な活動について教えてください(吉田)

    笹田さん:

    夏休みは学校給食がなくなる時期のため、子どもだけでも簡単に食べられるようなレトルト食品を多めに提供するなど、普段の支援よりも内容に厚みをもたせるよう心がけています。

    船橋市内には約40か所の子ども食堂があり、その多くが私たち「フードバンクふなばし」を利用しています。そこで、各子ども食堂に呼びかけを行い、夏休みに子ども食堂を利用する子どもたちに向けて、お米1キロと焼き鳥缶のセットを配布していただくことにしました。

    これは初めての取り組みなのですが、夏休みの間、子どもたちがしっかり食べて元気いっぱいに過ごしてもらえたらという思いで実施しています。

     Q. 独自の取り組みについて教えてください(吉田)

    笹田さん:

    毎年10月の「食品ロス削減月間」に合わせて、食品ロスに関するリーフレットを作成し、市内の全小中学校の児童、生徒に配布しています。

    また、「出張授業」という取り組みとして、フードバンクに関する授業も実施しています。授業では、実際に食品を教室に持参し、架空の家族を支援先として想定たうえで、「その家庭にどのような食品を届けたらいいか」を子どもたちに考えてもらい、なぜその食品を選んだのかを発表してもらいます。小学校での授業でも、児童の誰もが、支援先の家族に寄り添って食品を選ぶ姿には毎回心が打たれます。

    こうした取り組みを通じて、子どもたちがフードバンク活動を自分ごととして捉えるようになり、「自分たちでフードドライブの食品を集めよう」という行動につながっていきます。

    Q. 今後の活動について教えてください(吉田)

    笹田さん:

    現在、月に2回以上、ひとり親家庭を対象とした対面での食料支援会、「パントリーピックアップ」を開催しています。この支援会では、無料スーパーのような形で、必要な食品を選んでお持ち帰りいただけます。

    加えて、支援会の開催日に毎回テーマを決めた交流会を開くことになりました。内容は「教育費について」「子どもの性の悩み」「自分の体のこと、心のこと」などさまざまですが、私たちの関係者には各専門家もいるので、テーマに応じて専門的な話を伺える機会とひとり親家庭同士の横の繋がりを作っていく予定です。

    なお、この取り組みは、内閣府の「令和7年度 地域における孤独・孤立対策に関するNPO等の取組モデル調査」内閣府令和7年度 地域における孤独・孤立対策に関するNPO等の取組モデル調査に採択されました。

    単なる食料支援にとどまらず、参加者の方が情報を得たり、相談ができて安心する場を作っていきたいと考えています。

    インタビュー時の様子(事務局 吉田)

    インタビューを終えての感想(事務局 吉田より)

    フードバンクふなばし様のホームページを拝見すると、柔らかな色使いや優しい雰囲気の文字に、思わずホッとするような暖かさを感じました。そのことを笹田様にお伝えしたところ、「女性スタッフが多く、みんなお母さんなので、お母さん目線でそういう雰囲気になったかもしれませんね」と話してくださいました。

    また、「主婦発の自分たちが、フードバンクを面として広げるために、なんとかしたいという思いでやってきた」という言葉がとても心に残っています。

    交流会の取り組みを伺った際には、「活動を続けてきて気づいたら、周りには豊かな人材がたくさんいた。それを活かさない手はないと思ったんです」とおっしゃり、多岐にわたる活動を積極的に展開されている様子に深く感銘を受けました。

    インタビューの最初から最後まで、「ご縁」という言葉を大切にされていたのがとても印象的でした。活動のお話を伺いながら、共感するとともに、多くの学びを得ることができました。

    特定非営利活動法人フードバンクふなばし様の取り組み

    フードバンクふなばし様は千葉県船橋市で「子育てしやすい街づくり」「子育て家庭の実情に寄り添う」「市民に親しまれる街のフードバンクを目指す」という3つのことを大切にして活動しているNPO法人です。子育て家庭への支援を中心に、全ての人が船橋の地で食に不安を抱くことなく、安心して暮らすことができる社会の実現を目指しています。

    特定非営利活動法人フードバンクふなばし様活動の詳細はこちら

    http://fb-funabashi.com/

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