活動報告
フードバンクみやこのじょう様にインタビューさせていただきました
全国フードバンク推進協議会では、加盟フードバンク団体と連携して、学校給食のない夏休み期間に子育て世帯への集中的な食料支援を行う「第11回フードバンクこども応援全国プロジェクト」を実施しています。
今回は、本プロジェクトの参加団体である、特定非営利活動法人らしくが運営する「フードバンクみやこのじょう」をご紹介します。
フードバンクみやこのじょうは、宮崎県都城市を拠点に、寄附された食品を地域の支援団体や福祉施設などへ届けるとともに、関係機関と連携し、支援を必要とする子どもや家庭を適切な相談先につなぐ活動も行っています。
活動への思いや日頃の取り組みについて、理事長の甲斐さんに、弊会インターン生の武藤がオンラインでお話を伺いました。
甲斐さん:
母体である「特定非営利活動法人らしく」で、ひとり親家庭への学習支援に取り組む中、利用している保護者の方から「今月はお米を買うことができない」「夏休みは学校給食がなくなるため、食事を十分に用意できない」といった相談を受けるようになりました。
そうした声をきっかけに、学習支援だけでなく食の支援も必要なのではないかと考え、企業や農家の皆さんにご協力いただきながら、食品を集め、運営母体の支援活動を通じて必要な家庭へ届ける活動を始めました。活動を続ける中で、ひとり親家庭だけでなく、高齢者世帯など、地域にはさまざまな事情から支援を必要としている方がいることも分かってきました。
そこで、「寄贈いただいた食品を、地域で必要としている方々へ、より広く届けられる仕組みをつくりたい」と考え、食料支援を中心に、地域の関係機関と連携する団体として、2021年にフードバンクみやこのじょうを設立しました。
甲斐さん:
企業や地域の皆さんから寄附していただいた食品を受け取り、子ども食堂やこども宅食の実施団体、福祉施設、社会福祉協議会など、地域で食の支援に取り組む団体・施設・関係機関へ届けています。また、地域のスーパーやコンビニエンスストアと連携したフードドライブにも力を入れています。
フードドライブで集まった食品を受け取る際には、食品の受け渡しだけでなく、一店一店にご挨拶し、活動の状況をお伝えしたり、店舗の方々のお話を伺ったりしながら、地道に関係を築いてきました。こうした積み重ねを通じて、活動への理解が広がり、協力してくださる店舗も少しずつ増えています。
一方で、協力店舗が増えるにつれて、食品の受け渡しや連絡調整に伴う業務も増えています。今後も一つひとつのつながりを大切にしながら活動を継続していくため、運営体制の整備にも取り組んでいきたいと考えています。
甲斐さん:
「もったいないから、ありがとうへ」を理念に、寄附していただいた食品を無駄にせず、地域の支援先へつなぐことを大切にしています。
食品の期限や保管条件を確認し、適切な状態で速やかに支援先へ届けることを心がけています。食品を寄附してくださる企業や地域の皆さん、フードドライブに協力してくださる方々には、「誰かの役に立ってほしい」という思いがあります。食品だけでなく、そうした思いも大切に受け止め、地域の支援へつないでいくことが私たちの役割だと考えています。
甲斐さん:
私たちは、食品の提供をきっかけとして、必要に応じて適切な相談先や支援機関や医療関係につなげることを大切にしています。母体となる団体で学習支援やひとり親家庭への支援に取り組んできた経験を生かしながら、地域の関係機関と連携し、得意分野を活かしながら体制づくりを進めています。
また、フードバンクの活動内容や必要性が、地域の中でまだ十分に知られていないと感じることもあります。そのため、活動の目的や、食品を届けるだけではないフードバンクの役割について、一つひとつ丁寧にお伝えすることを大切にしてきました。そうした対話の積み重ねが、現在の関係機関との連携の広がりにつながっていると感じています。
若い世代にも活動を知ってもらえるよう、学校や教育委員会を通じた周知や、ボランティアの募集も行っています。参加する方には事前に研修を行い、活動の目的や、利用する方のプライバシーと尊厳への配慮について理解していただいた上で、活動に参加してもらっています。
甲斐さん:
フードバンクを立ち上げた当初、株式会社マイファーム様が実施するフードバンク団体向けの支援事業に参加し、団体運営や活動の進め方について伴走支援を受けました。その中で「食品を配布するだけでなく、食品をきっかけに地域の人や団体とつながる仕組みをつくってはどうか」と助言をいただいたことが、現在の連携につながる大きなきっかけとなりました。
また、2025年10月には宮崎県フードバンク協議会が設立され、県内のフードバンク同士が連携する仕組みも生まれました。団体同士がつながることで、子ども食堂やこども宅食の実施団体、社会福祉協議会などへ、食品や支援に関する情報をより広く届けられると考えています。
甲斐さん:
今回のプロジェクトについては、現在、具体的な支援内容を検討している段階ですが、これをきっかけに、より多くの地域団体と連携した支援を展開していきたいと考えています。
運営母体である特定非営利活動法人らしくでは日頃から、「親子のつらいを見逃さず、手を差し伸べる誰かがいる社会」を目指し、子どもや子育て世帯への支援に取り組んでいます。こども宅食では、利用する家庭のプライバシーに配慮しながら、定期的に食品や生活用品を届けています。また、食品を届ける中で家庭の困りごとに気づき、必要に応じて関係機関へ相談したり、継続的な支援につなげたりすることも大切にしています。
今回のプロジェクトをきっかけに、地域の団体との連携をさらに広げ、子どもや子育て世帯を地域全体で支える体制づくりを進めていきたいと考えています。
甲斐さん:
協力してくださる店舗は少しずつ増えていますが、フードバンクの活動内容や地域で果たしている役割は、地域によってはまだ十分に知られていないと感じています。また、活動自体は知られていても、なぜこの活動が必要なのか、どのような思いで取り組んでいるのかまでは、十分に伝わっていないこともあります。
この記事をきっかけに、フードバンクの活動と、その背景にある思いを知っていただけたらうれしいです。そして、周りの方にも伝えていただくことで、地域における支え合いの輪が少しずつ広がっていけばと思っています。

インタビュー中の様子(インターン生 武藤)
今回のインタビューを通して、フードバンクの活動の目的や地域で果たしている役割を丁寧に伝え、地域の方々や関係者との信頼関係を少しずつ築いていくことの大切さを学びました。「地域に必要な活動を続けていく」という思いを大切にしながら、目の前の取り組みを一つひとつ積み重ねてこられたことが、地域の関係者や協力者とのつながりを広げているのだと感じました。
また、自団体だけですべての支援を担うのではなく、地域の関係機関と役割を分担しながら、必要な相談先や支援につなげていることも印象に残りました。学習支援やひとり親家庭への支援に取り組んできた経験を、地域全体の支援体制づくりに生かしている点は、フードバンクみやこのじょうの特徴の一つだと感じます。
お話を伺う中で、フードバンクの活動は食品を届けることだけでなく、人と人、人と地域をつなぎ、必要に応じて相談先や支援機関とのつながりを生み出す役割も担っていることを学びました。今後の活動では、活動の成果だけでなく、その背景にある思いや地道な取り組み、地域で果たしている役割についても、より多くの方へ丁寧に伝えていきたいと思います。
フードバンクみやこのじょうの詳細はこちら
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