活動報告

認定NPO法人富士の緑とフードサポート様にインタビューさせていただきました

全国フードバンク推進協議会では、加盟フードバンク団体と連携して、学校給食のない夏休み期間に子育て世帯への集中的な食料支援を行う「第11回フードバンクこども応援全国プロジェクト」を実施しています。 

今回は、本プロジェクトの参加団体である「認定NPO法人富士の緑とフードサポート」をご紹介します。

富士の緑とフードサポートは、山梨県富士吉田市を拠点に、富士山周辺の自然保護活動と子ども・子育て世帯支援を柱として、食料支援や親子で参加できる体験活動などに取り組んでいます。 

活動への思いや日頃の取り組みについて、理事長の米林さんと事務局の早川さんに、弊会インターン生の武藤がオンラインでお話を伺いました。 

Q.団体設立の経緯と、フードバンク活動を始めたきっかけを教えてください。(武藤)

早川さん:

私たちの活動の原点は、地域の青年団が行っていた富士山周辺の自然保護活動にあります。青年団の活動が縮小したことを受け、OBが集まり、「これからも仲間と一緒に、社会のためになる活動を続けていこう」と、1985年に「富士のみどりを育てる会」を設立しました。

その後、会員から「食品ロスについても、自分たちにできることがあるのではないか」という声が上がったことをきっかけに、フードバンク活動を検討するようになりました。自然環境を守ることと、まだ食べられる食品を無駄にしないことには、共通する思いがあると考えたためです。

当時はフードバンクに関する知識がほとんどなかったため、すでにフードバンク活動に取り組んでいた認定NPO法人フードバンク山梨に相談し、研修や助言を受けながら活動を始めました。

Q.普段はどのような活動をされていますか。(武藤)

早川さん:

主に、ゴールデンウィークや夏休み、冬休みなど、学校給食がない長期休暇に合わせて、食の支援を必要とする子育て世帯へ食品を届けています。長期休暇中は、食事の確保が難しくなる家庭もあるため、子どもたちが少しでも安心して休みを過ごせるよう、必要な食品を箱に詰めてお渡ししています。

フードバンク山梨と連携して実施している「つながるスマイルプロジェクト」では、富士吉田地域の窓口を担い、住民税非課税世帯をはじめとした事業の対象となる家庭へ、食料を届けています。

このほか、地域の店舗などに、家庭で使い切れない未開封の食品を寄附していただく「子育て支援BOX」を設置しています。食品の支援に加え、まだ使用できる子ども服や学用品を集め、必要としている家庭へ届けるリユース活動にも取り組んでいます。こうした活動を通じて、子どもや子育て世帯を地域全体で支えることを大切にしています。

Q.活動にあたって大切にしていることを教えてください。(武藤)

早川さん:

「だれもが食を分かち合える社会」を目指し、活動を通じて一人でも多くの笑顔に出会うことを大切にしています。青年団で活動していた頃からの「仲間と一緒に、社会のためになることに取り組みたい」という思いは、現在の活動にも受け継がれています。

フードバンク活動を始めた当初は、十分な知識や経験がなく、集まる食品もわずかでした。それでも、まずは行動に移し、一つひとつ取り組みを重ねる中で、地域の皆さんの理解や協力が少しずつ広がっていきました。2025年度の食品配布量は約23トンです。「やってみれば、自分たちにもできる」という気持ちを大切に、メンバーで力を合わせながら活動を続けています。

米林さん:

また、食品を受け取る方の気持ちや尊厳を大切にし、言葉のかけ方や接し方にも十分に配慮しています。必要な知識を学び続け、地域や支援者の皆さんから信頼していただける団体であり続けることも、大切にしていることの一つです。

Q.子どもや子育て世帯への支援において、食品を届けることに加えて、どのような工夫や取り組みをされていますか。(武藤)

早川さん:

食品を届ける活動に加えて、ほうとう作りやクレープ作りなど、親子で一緒に参加できる体験活動を行っています。食品を届けている家庭の中には、仕事などで忙しく、親子でゆっくり過ごす時間を十分に取ることが難しい家庭もあります。そこで、限られた時間であっても、親子で一つのことに取り組み、楽しい時間を過ごしてもらいたいと考え、こうした活動を始めました。

参加した保護者の方からは、「子どもが思っていた以上にいろいろなことができると分かった」、子どもたちからは「お母さんと一緒にできて楽しかった」といった声が寄せられています。親子がお互いの新たな一面に気づき、家族の触れ合いやつながりを深める機会になっていると感じています。

また、お米やレトルト食品だけでなく、協力者のご厚意によって果物を届けることもあります。活動に賛同してくださる方々の思いを大切に受け取りながら、食品支援に加え、子どもや保護者の気持ちにも寄り添える取り組みを少しずつ広げていきたいと考えています。

Q.第11回フードバンクこども応援全国プロジェクトでは、どのような活動を予定されていますか。(武藤)

早川さん:

私たちは日頃から、学校給食がない長期休暇に合わせて、食の支援を必要とする子育て世帯へ食品を届けています。これまでの支援を通じて得た経験を生かし、今回のプロジェクトでも、 暑い夏を子どもたちや子育て家庭の皆さんに少しでも元気に過ごしていただけるよう、夏休み期間中に役立つ食品を届けたいと考えています。

一方で、地域のフードドライブで集まる寄附食品だけでは、必要な量や食品の種類を十分に確保することが難しいのが現状です。そのため、活動を応援してくださる方々からいただいた寄附金も活用しながら、これまでの活動で把握してきた家庭のニーズや夏の時期を踏まえた食品を届けられるよう、準備を進めています。

Q.今後、活動を通じて力を入れていきたいことや、目指している地域の姿を教えてください。(武藤)

米林さん:

食生活に不安を抱えていても、その状況が周囲から見えにくく、必要な支援につながっていない方が、地域にはまだいらっしゃると感じています。

まずは、身近な地域にも食の支援を必要としている方がいることを、行政や地域の皆さんと共有していくことが大切だと考えています。その上で、フードバンクだけですべてを担うのではなく、行政や地域住民、関係団体などが連携し、それぞれの立場で何ができるのかを一緒に考えていけたらと思っています。

現在届けられている食品だけでは、地域の食料支援のニーズに十分に応えることは難しいのが現状です。より多くの方に関心を持っていただき、それぞれができる形で支援に関わることで、食の支援を必要とする方を地域全体で支えられる仕組みをつくっていきたいと考えています。

Q.最後に記事をご覧になる皆さまへメッセージをお願いします。(武藤)

米林さん:

フードバンク活動に携わるようになり、私たちの身近な地域にも、食事に不安を抱えている子どもや家庭がいることを知りました。日常生活の中では、そうした状況に気づく機会が少なく、活動についてお話しすると、「身近にそのような家庭があるとは知らなかった」と驚かれることもあります。

まずは、さまざまな事情によって、十分な食事を確保することが難しい家庭があることを、多くの方に知っていただきたいと思っています。

食品の寄附や活動への寄付、ボランティアへの参加など、支援の形はさまざまです。一人ひとりができる形で関心を寄せ、活動に関わっていただくことが、より多くの子どもや家庭へ食品を届ける力になります。この記事をきっかけに、身近な地域の課題やフードバンクの活動に関心を持っていただけたらうれしいです。

インタビューを終えての感想(インターン生 武藤)

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インタビュー中の様子(インターン生 武藤)

今回のインタビューを通して、富士山周辺の自然を守る活動から、食品ロスの削減や子育て世帯への支援へと、時代や地域の課題に応じて活動を広げてこられた歩みが特に印象に残りました。

フードバンクに関する知識や経験がほとんどない中でも、先に活動する団体から学び、まずは行動に移しながら、一つひとつ取り組みを積み重ねてこられたことから、活動を始めるためには、最初からすべてが整っていることよりも、「自分たちにもできることがある」と考え、一歩を踏み出すことが大切なのだと学びました。そうした地道な積み重ねが、地域の理解や協力を広げ、現在の活動につながっているのだと感じました。

また、食品を届けるだけでなく、親子で一緒に過ごす時間が限られている家庭の声を受け、ほうとう作りやクレープ作りなど、親子で一緒に楽しめる機会をつくっていることも印象的でした。食料支援によって日々の暮らしを支えるとともに、体験活動を通じて、親子が一緒に過ごし、お互いの新たな一面に気づく機会をつくっています。さらに、自然保護活動では、地域で長年受け継がれてきた自然を次の世代へ残そうと取り組まれています。 

一見すると異なるこれらの活動に共通しているのは、目の前の地域課題に向き合い、人が安心して心豊かに暮らせる地域をつくりたいという思いなのではないかと感じました。

今回伺ったお話を今後の広報活動に生かし、活動の成果だけでなく、活動を少しずつ広げてこられた歩みや、自然、食、親子の体験を通じて地域の暮らしを支えていることまで、丁寧に伝えていきたいと思います。

認定NPO法人富士の緑とフードサポートの詳細はこちら

URL:https://fujim-fs.com/

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