活動報告

NPO法人フードバンクいるま様にインタビューさせていただきました

NPO法人フードバンクいるま様は、弊会が加盟フードバンク団体と連携して実施している「フードバンクこども応援全国プロジェクト」の参加団体です。今回は、弊会インターン生の川田と事務局の吉田が、NPO法人フードバンクいるま事務局長の上山さんにオンライン上でお話を伺いました。

  • Q. 設立の経緯についてお伺いできますか(川田)
  • 上山さん:

    NPO法人フードバンクいるまは、「地域のために何かしたい」という市民一人一人の想いから誕生しました。私自身、社会福祉士として障害者相談や生活支援の現場に携わる中で、生活に困窮する人々の現実を日常的に目にしてきました。そうした経験の中で「フードバンク」という活動を知り、「この仕組みを地域でも実践できないだろうか」という声が上がったことが、団体設立のきっかけです。

    フードバンク西埼玉でフードバンク活動を手伝っていた経験もあり、社会福祉士や病院のソーシャルワーカー、社会福祉協議会の職員、ヘルパー事業者、議員など、関心を持つ人々に声をかけ、2018年11月から活動を開始しました。手探りで始まった取り組みでしたが、行政や地域の後押しを受けて少しずつ広がりを見せ、2021年11月にNPO法人化しました。現在では、地域に根差した「地域密着型フードバンク」として、継続的な支援を行っています。

  • Q. 活動にあたって大切にしていることや団体の理念について教えてください (川田)
  • 上山さん:

    団体の理念は、「『もったいない』を『ありがとう』へ。」という言葉です。この理念を何より大切にし、活動の軸としてきました。活動においては、「不可能だと決めつけない」「まずはやってみる」という姿勢を重視しています。新しいことに挑戦したい人にはできる限り自由に任せ、最初から「無理」「ダメ」だと決めつけないようにしています。

    一方で、無理に団体の規模を拡大することはしていません。地域密着型だからこそ得られている支援を大切にしつつ、できることを少しずつ増やしていくことを心がけています。支援の現場でも工夫を重ね、フードパントリー会場に来られない人には配達を行ったり、フードパントリーを実施していない曜日でも食品を受け取れるよう事務所を開けるなど、柔軟な対応を続けてきました。その結果、受け取りのキャンセル数も減少しています。スタッフみんなで知恵を出し合い、「どうすれば支援に繋がるか」を一つ一つ考え、形にしていく。こうした積み重ねが、活動を続ける力となっています。

    Q. 普段の活動内容について教えてください(川田)

    上山さん:

    フードバンクいるまは、入間市を中心に地域密着型のフードバンク活動を行っています。食品の回収・管理・提供を軸に、フードバンクいるま独自の月1回のフードパントリーに加え、市内全域で児童扶養手当受給世帯を対象とした「いるまフードパントリー茶いるど」、地区ごとに高齢者や生活困窮者を対象にしたフードパントリーなどを実施しています。活動開始当初、1か月に集まる食品は約35kgでしたが、行政や地域との連携を重ねることで取扱量は着実に増加し、年間約30トン以上にまで拡大しました。規模は大きくありませんが、地域の実情に即したきめ細かな支援を行っています。

    こうした支援を支えているのが、関係団体との連携です。社会福祉協議会などと連携し、食品の回収・管理をフードバンクいるまが一元的に担う体制を整えています。また、市役所の生活支援課や総合相談支援室とも情報を共有し、必要な世帯に確実に繋がる形で食品を届けています。食品支援は単なる配布にとどまらず、生活相談や就労支援へと繋げる「支援の入口」だと考えています。

    さらに、地域の子ども食堂や学習支援、サロンなど約50団体への食品提供を行うとともに、銀行や教会、ゴルフ場やコンビニエンスストア、接骨院など、地元のさまざまな団体や事業者の協力を得て、60か所以上にフードドライブ拠点を設置しています。「地元で集め、地元で支える」仕組みづくりを通じて、地域全体で支え合うフードバンク活動を広げています。

     Q. 独自の取り組みについて教えてください(川田)

    上山さん:

    フードバンクいるまでは、「食」だけでなく、子どもたちの経験や思い出も支えたいという想いから、独自の取り組みを行っています。近年特に力を入れているのが、体験型のイベントです。今年の夏には、地元のブルーベリー農園の協力を得て、親子で参加できるブルーベリー狩りを実施しました。収穫したブルーベリーは無料で持ち帰ってもらい、参加した家庭からは「楽しかった」「大切な思い出になった」といった声が寄せられています。その他にも、企業等と連携した料理教室や似顔絵体験など、体験を通じて心に残る支援を広げています。

    もう一つの特徴的な取り組みが「ミルク基金」です。粉ミルクはフードドライブでは集まりにくい一方、必要とする家庭が多いことから、提供を始めました。現在はフードパントリーでも常時粉ミルクを用意し、こども支援課と連携するなどして必要な家庭へ粉ミルクを届けています。昨年は約150缶の粉ミルクを支援に繋げることができました。

     Q. 今回のプロジェクトでの具体的な活動について教えてください(川田)

    上山さん:

    今回のプロジェクトでは、「もらってよかった」「少しでも温かい気持ちになれる」食品支援を意識して取り組んでいます。地元の企業や団体の協力を得ながら、子どもたちにとって特別感のある内容になるよう工夫しています。クリスマス時期に合わせたお菓子の詰め合わせやパン、冷凍ケーキなどの寄付も寄せられ、子どもたちの心に残る支援になるよう、地域の力を合わせて取り組んでいます。

     Q. 今後の活動の展望について教えてください(川田)

    上山さん:

    食品ロスへの意識は以前より高まってきましたが、未開封のまま廃棄される食品は依然として多く、入間市内でも課題は残っています。また、フードドライブやフードパントリーの存在をまだ知らない市民も少なくありません。

    今後は、食品ロス削減や困窮者支援の意義について、より多くの人に理解してもらうための啓発活動に力を入れていく必要があると考えています。フードパントリーでは地元中学校の生徒がボランティアとして参加するなど、若い世代が地域課題に触れる機会づくりも続けて行きま

    さらに、高校との連携も進めており、文化祭でのフードドライブや、SNSを活用した情報発信など、新たな取り組みも検討しています。地域の多様性を認め合い、誰もが暮らしやすい社会をつくるために、次の世代とともに考え、行動していきたいと考えています

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    インタビュー時の様子(インターン生 川田)

    インタビューを終えての感想(インターン生 川田より)

    今回のインタビューを通して、フードバンクいるま様の活動が、単なる食品支援にとどまらず、「人と人をつなぐ地域の仕組み」であることを強く実感しました。食品の提供だけでなく、生活相談や就労支援、子どもたちに体験の機会を届ける取り組みなど、一人ひとりが孤立しないよう寄り添う姿勢が、活動の随所に表れていました。 特に「不可能だと決めつけない」「まずやってみる」という上山さんの言葉からは、地域密着型フードバンクならではの強さと、大きな可能性を感じました。

    また、フードバンクの活動は「支援する側・される側」という一方通行の関係ではなく、地域の中で人と人がつながり、誰もが支え合う社会をつくる取り組みであることを改めて実感しました。「支援は特別な誰かだけが担うものではなく、誰もが状況によって支える側にも、支えられる側にもなり得る」ということを、上山さんのお話を通して学びました。

    私自身、これまで社会課題をどこか遠いものとして捉えていましたが、今回のインタビューを通じて、地域の中で日常的に行われているフードバンクの活動を、より身近に感じるようになりました。そして、自分にもできる一歩があるのだと考えるようになりました。

    お忙しい中、貴重なお話を聞かせていただき、誠にありがとうございました。今回得た学びを今後の行動につなげ、私自身も社会を支える一員として関わっていきたいと思います。。

    NPO法人フードバンクいるま様の取り組み

    NPO法人フードバンクいるま様は、入間市を拠点に食品ロス削減と困窮支援を行う団体です。寄贈された食品を活用し、世帯や子ども食堂、地域団体へ届けることで、食を通じた地域の支え合いを実践しています。

    NPO法人フードバンクいるま様活動の詳細はこちら

    https://fb-iruma.com/

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